販売連鎖とは、流通における工程の上流から下流に向けて起こる連鎖である。販売連鎖の起点は、原料の生産者と加工業者の間で行われる物品の売買となる。あるいは、技術を持った人材とサービス提供業者の間で行われる労働力の売買となる。

原料の売買においては、生産者がその原料を必要とする加工業者の意図を推測し、売買が成立するように創意工夫を行う。同様に、労働力についても、労働者がその労働力を必要とするサービス提供者の意図を推測し、複数の求職者の中でよりふさわしい人物であり労働力であることを主張し、雇用契約が成立するように創意工夫を行う。

販売連鎖の下流では、最終顧客に対する販売促進活動が行われ、最終顧客は複数の選択肢の中から対価を支払う商品を選び出す。翻って、事業者が個別の顧客に対して売買が成立するように努めていることになる。

販売連鎖を構成する要素としての市場

流通における上流から下流への流れの中で、販売行為が連鎖していることは明白だが、それはすなわち、市場同士が販売連鎖で繋がれているということである。つまり、市場は販売連鎖を構成する要素の一つといえる。これはある特定市場の環境変化が、販売連鎖の下流に位置する市場に対して影響を与えることを意味する。

多くの場合、市場競争が激しければ、商品の品質向上あるいは価格下落が起き、その市場と下流で連鎖している市場にも同様の効果が波及する。逆に、特定市場で一切販売が成立しなければ、その市場は一時的あるいは恒久的に潜在的市場に変容し、下流にある市場への供給が不足する。最悪の事態では、その特定市場より下流にある市場は全て潜在的市場に変容し、見かけ上の市場が消滅し、産業が成立しなくなる可能性もはらんでいる。

このように、市場と販売連鎖は切り離すことのできない関係性を持っている。つまり、市場で販売を成立させるためには、多くの産業で、他の競争市場を考慮せざるをえない。



About 古市 大三

ダイゾーコンサルティング株式会社 代表取締役。日本経営士会認定 経営士、WACA認定 ウェブ解析士マスター、および経済産業省認定 応用情報技術者。7年の在米生活を経て、帰国後に起業。WEBデザイナー兼ディレクターを経て、WEBコンサルタントに転向。現在は戦略経営コンサルタントとして活動。その他、セミナー講師やウェブ解析士認定講座の講師も務める。