価値工学の機能分類は、価値工学(VE: Value Engineering)において、対象とする商品(製品やサービス)の機能を分類するためのフレームワークである。「商品の存在価値に基づく機能分類」「商品の性質と魅力に基づく機能分類」「機能の必要性に基づく機能分類」が存在し、「基本機能一次機能)」「補助機能二次機能)」「使用機能」「貴重機能」「必要機能」「不必要機能」の6種類の組み合わせによって構成される。

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戦略経営における機能分類

戦略経営において、市場の成長に合わせて顧客も成長するので、都度最適な価値を提供しなければならない。また、過度に多機能化している市場では、価値工学の機能分類で機能を整理することで、新たな市場を生み出すことが可能になる。

使用機能貴重機能の分類については、双方のバランスとコスト面との兼ね合いが重要になる。ターゲット層がどちらを重要視するかを理解することは、商品開発において有利となる。

必要機能・不必要機能の分類については、商品提供側の認識と実際の使用者の考えが乖離している場合があり、十分なマーケティング調査を要する。逆に、競合他社の虚を突くためには、必要・不必要機能の不一致を改善することで、実現できる場合がある。

価値工学の機能分類

商品の存在価値に基づく機能分類

基本機能(一次機能)」「補助機能(二次機能)」は、商品そのものの存在価値に基づく機能分類である。

基本機能(一次機能)

基本機能とは、その商品がその商品であるために必要な機能である。一次機能とも呼ばれ、商品の存在自体を定義する重要な機能である。基本機能は顧客のニーズを満たすものであり、商品の根幹を成している。もし基本機能が変わってしまうのであれば、別の商品になるとも言える。また明確な基本機能が存在しない場合は、商品自体の再定義が必要である。

補助機能(二次機能)

補助機能とは、基本機能を達成するために必要な補助的な機能である。二次機能とも呼ばれ、この機能が無くても商品は成立する。基本機能に比べて重要性が低い。また、同類の商品を差別化したり、基本機能を高める役割がある。

商品の性質と魅力に基づく機能分類

「使用機能」と「貴重機能」は、商品の性質や魅力に基づく機能分類である。「基本機能(一次機能)」「補助機能(二次機能)」を、いずれかに分類することができる。

使用機能

使用機能とは、商品の使用価値(Use Value)を実現する機能である。使用価値とは、商品そのものが持つ働きや役割であり、使用機能はその使用価値を提供する機能を指す。

貴重機能

貴重機能とは、商品の貴重価値(Esteem Value)を実現する機能である。貴重価値とは、商品が使用者に提供する満足感や充実感を得られる価値である。貴重機能は、デザインや装飾など商品そのものが持つ働きとは関係ない部分において実現される。

機能の必要性に基づく機能分類

「必要機能」と「不必要機能」は、商品の使用者にとっての必要性に基づく機能分類である。補助機能を再考する際に、必要不必要を検討することが望ましい。また、業界の慣習として暗黙的に定義されている場合があり、商品の提供側の思い込みを排除しなければならない。

必要機能

必要機能とは、使用者が必要としている機能である。基本機能は、すべて必要機能に分類される。この機能は、業界の慣例や思い込みによって「この機能は顧客が必要としているはずだ」という判断が成されている場合があり、定期的に再考する必要がある。

不必要機能

不必要機能とは、使用者が必要とはしないがあっても困らない機能である。基本機能は商品の根幹を成しているため、「基本機能」かつ「不必要機能」は存在しない。過度に多機能化した商品は、不必要機能がコストを押し上げている可能性があり、排除しても使用者に提供する価値が変わらない場合がある。逆に、顧客にとって不必要であると思っていた機能が必要機能である可能性がある。



About 古市 大三

ダイゾーコンサルティング株式会社 代表取締役。日本経営士会認定 経営士、WACA認定 ウェブ解析士マスター、および経済産業省認定 応用情報技術者。7年の在米生活を経て、帰国後に起業。WEBデザイナー兼ディレクターを経て、WEBコンサルタントに転向。現在は戦略経営コンサルタントとして活動。その他、セミナー講師やウェブ解析士認定講座の講師も務める。