遂行能力とは、戦略経営において特定の技術やノウハウによって物事を成し遂げる能力である。「ケイパビリティ」とも表現される。遂行能力は戦略遂行に深く関わる能力であり、遂行能力を適切に把握することが遂行を円滑に導く。戦略策定の段階で、遂行能力を正確に見積もっていれば、戦略遂行の実現性が高まる。

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遂行能力の醸成

遂行能力は、日々の事業活動の中で培われる。顧客からの高い要求に対応していく度に、遂行能力が高まる。例えば、商品がたくさん売れて生産が追いつかなくなってきた場合、生産方法や生産体制を最適化することによって、より多くの商品を生産できるようになる。この場合は、生産において遂行能力が高まったと言える。

また、遂行能力は戦略的に醸成することも可能である。戦略着点に到達するために現状の遂行能力で不十分な場合は、価値連鎖やビジネスプロセスの見直しによって、新たな遂行能力を生み出すことができる。

1992年に、ストークJrによってハーバード・ビジネス・レビューに寄稿された「Competing on Capabilities: The New Rules of Corporate Strategy」では、米国小売大手のウォルマートを例に挙げて「遂行能力(Capability)」を説明している。この記事は、書籍「戦略論 1957–1993 HARVARD BUSINESS PRESS」の第9章にも日本語訳が掲載されている。

遂行能力の認識

遂行能力は、自社内で認識することが困難な場合がある。自社内で「当たり前」になっていることは、社員が特別な遂行能力として認識できない。また業界内において「当たり前」の遂行能力も、他業界において「当たり前」ではなく、類を見ない遂行能力である場合が多い。

よって、遂行能力を正しく認識するには、他社や他業界における遂行能力と比較する必要がある。類い希なる遂行能力が社内で認識できた場合、その遂行能力を活かした新事業への参入や、新たな戦略の打ち手に繋がる可能性がある。

コア・コンピタンスとケイパビリティの違い

コア・コンピタンスとケイパビリティの違いは、中核高水準能力と遂行能力の違いとも表現出来る。詳細は、以下の記事を参照して欲しい。

 



About 古市 大三

ダイゾーコンサルティング株式会社 代表取締役。日本経営士会認定 経営士、WACA認定 ウェブ解析士マスター、および経済産業省認定 応用情報技術者。7年の在米生活を経て、帰国後に起業。WEBデザイナー兼ディレクターを経て、WEBコンサルタントに転向。現在は戦略経営コンサルタントとして活動。その他、セミナー講師やウェブ解析士認定講座の講師も務める。