高水準能力とは、戦略経営において競合より相対的に優れている能力群を指す。「コンピタンス」「コンピテンシー」とも表現される。高水準能力は、市場における競争優位性の源泉であり、戦略策定に深く関わる能力である。高水準能力を利用した戦略を策定することで、競合他社に対して優位な立ち回りが可能になる。

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高水準能力の醸成

高水準能力は、複数の遂行能力が発現する過程で顕在化する。戦略着点の如何に関わらず、複数の遂行能力の相互作用によって高水準能力が生み出される。例えば「マーケティング調査の遂行能力」「短期製品化の遂行能力」「高品質生産の遂行能力」が合わさることで、市場に対して魅力的な商品を短いサイクルで投入する高水準能力があると言える。

この高水準能力は、遂行能力が増える度に強化され、拡張・発展の道を辿る。また、時勢に合わせて高水準の基準も変化し、それに併せて高水準能力の内容も変化する。

コア・コンピタンス(中核高水準能力)の概念

1990年に、プラハラードとハメルによってハーバード・ビジネス・レビューに寄稿された「The Core Competence of the Corporation」では、ソニーの「微細化技術」というコンピテンシーや本田技研の「エンジンや駆動系統」を例に、「コア・コンピタンス」という概念が登場する。

コア・コンピタンスは以下に挙げる3つの特徴で定義されている。

  • 様々な市場に対して適用することが出来る
  • 最終商品から顧客が得る利益に大きく寄与する
  • 競合他社にとって模倣が困難である

この特徴を満たす高水準能力については、コア・コンピタンス(中核高水準能力)と呼称することが出来る。複数の遂行能力の相互作用で発現する能力という性質に加え、その能力が戦略上大きな意味を持ち、顧客にも価値を提供できるものがコア・コンピタンス(中核高水準能力)なのである。

詳細については、書籍「戦略論 1957–1993 HARVARD BUSINESS PRESS」を参照いただきたい。「The Core Competence of the Corporation」の日本語訳が第8章に掲載されている。

コア・コンピタンスとケイパビリティの違い

コア・コンピタンスとケイパビリティの違いは、中核高水準能力と遂行能力の違いとも表現出来る。詳細は、以下の記事を参照して欲しい。



About 古市 大三

ダイゾーコンサルティング株式会社 代表取締役。日本経営士会認定 経営士、WACA認定 ウェブ解析士マスター、および経済産業省認定 応用情報技術者。7年の在米生活を経て、帰国後に起業。WEBデザイナー兼ディレクターを経て、WEBコンサルタントに転向。現在は戦略経営コンサルタントとして活動。その他、セミナー講師やウェブ解析士認定講座の講師も務める。